発達障害
岩波 明(著)
出版社/文藝春秋/文春新書 (2017/3/17)
単行本: 255ページ
自分はもしかして発達障害?
漠然とした不安に応えて10万部の最新解説書
空気が読めない、コミュニケーションが円滑にできない自分は、もしかして
発達障害? そんな疑念にとらわれ、精神科の門を叩く人が増えているという。
その流れを受けてか、ASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠如多動
性障害)の差異など、発達障害の定義と実際を最新の医学の成果に基づき
丁寧に解説した新書が好調だ。
----引用
収録内容は
はじめに なぜあの人は「空気が読めない」のか?
第1章 ASD(自閉症スペクトラム障害)
第2章 ADHD(注意欠如多動性障害)
第3章 ASDとADHDの共通点と相違点
第4章 映像記憶、共感覚、学習障害
第5章 天才
第6章 アスペルガー症候群への誤解はなぜ広がったか
第7章 発達障害と犯罪
第8章 発達障害を社会に受け入れるには
おわりに 発達障害とどう向き合うか
イントロと後書き、各10章からなる構成でASD(自閉症スペクトラム障害)と
ADHD(注意欠如多動性障害)について症例、内容、行動をサンプルを交えた
事例として紹介。
また、次章にてサヴァン症候群や共感覚(シネステジア)、映像記録、学習障
害(LD)の概要との比較。
後半には一時世間を賑わした犯罪例をあげ行動歴からの症例に踏み込んだ
解説が7章までです。
この本を手に取る切っ掛けは、正直家族に抱えている問題の足しに成りうる
のか?、とした期待が大きかった為です。
読ませて頂き、第3章、第8章だけを読まれれば十分ではないのかが個人的
な感想。
7章まで読んでは見ましたが、他のASD、ADHDを解説した書物同様に対処
方判定法など明確に書かれてはおらず繰り返し事例を並べているだけなので
はないか、これだけ症例を上げても区別のつかぬ物が発達障害であると再認
識出来た事です。
主要都市での専門医の数を量り知る事が出来ませんが、地方に至っては皆
無、どの医療機関でも「ASD」「ADHD」診察を専門に行う病院等は在
住地にはありません、そんな理由から期待が大きかった事もあるのか「発達
障害」はまだこれからの分野なのだなと痛感致しました。
特定の芸術家等を例にした「天才」的な側面もとの引き合いも事実であれ、
現代社会では略受け入れ難い部分は否めないでしょう。
そして犯罪例をあげ、加害者の成長過程から「ASD」「ADHD」だっ
たのではないのと推測されていますが、個人的には腑に落ちない部分もあり
全てを肯定理解できないところもあります。
ただ全ての発達障害と思える精神障害を「ASD」「ADHD」に繋げる
べきでは無いとした提唱には尤もであると思います。
最終章に書かれているような支援コミュニュテーが今後増えてくれば、
「より良い社会生活を支援出来るのではないか」との提議だけでも大きく
声を上げたい処です。 上記読み手として理解の至らない部分の多い感想
ですが、今後も提唱を促す書物が増えてくる事を期待致します。