2018年02月25日

天才 石原 慎太郎

天才

石原 慎太郎(著)/
出版社/幻冬舎 (2016/1/22)
226ページ

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高等小学校卒という学歴ながら『日本列島改造論』を引っ提げて総理
大臣に就任。
比類なき決断力と実行力で大計の日中国交正常化を実現し、関越自
動車道や上越新幹線を整備、生涯に30以上の議員立法を成立させる
など、激動の戦後政治を牽引した田中角栄。
その経歴から総理就任時には「庶民宰相」「今太閤」と国民に持てはや
され、戦後では最高の内閣支持率を得たが、常識を超える金権体質を
糾弾され、総理を辞任。その後、ロッキード事件で受託収賄罪に問われ
て有罪判決を受けるも、100名以上の国会議員が所属する派閥を率い、
大平・鈴木・中曽根内閣の誕生に影響力を行使。
長らく「闇将軍」「キングメーカー」として政界に君臨した。
そんな希代の政治家・田中角栄といえば、類まれな権謀術数と人心掌
握術に注目が集まるが、実はスケールが大きいわりに人一倍デリケート
な一面があった。浪花節と映画をこよなく愛する、家族思いの人情家だっ
たという。
強烈な個性をもったリーダーが不在の今、自らも政治家として田中角栄と
相まみえた著者が、毀誉褒貶半ばするその真の姿を「田中角栄」のモノロ
ーグで描く意欲作。

反田中の急先鋒だった石原が、今なぜ「田中角栄」に惹かれるのか。
幼少期のコンプレックス、政界入りのきっかけ、角福戦争の内幕、ロッ
キード事件の真相、田中派分裂の舞台裏、家族との軋轢…。
毀誉褒貶相半ばする男の汗と涙で彩られた生涯!
----引用

  少し前の某TV番組で田中角栄の自宅までは関越自動車道を経由すると

「目白の田中邸から新潟まで3回曲がれば着く」とした新潟の都市伝説がマ

コさんの番組や「教えてもらう前と後」にて放送されてました。


 その時、たしか… 石原慎太郎氏が執筆した『天才』田中角栄を購入して

いたなと思い出したのでブログに登場です。


 読んで感想をのべる以前に、新潟県民にしてみれば恩恵は計り知れない

ものがあります。

1982年(昭和57年の上越新幹線開業、1985年(昭和60年)の関越自動車道

全通。この二つの偉業がどれほど中央との距離を縮めてくれたか…

今までの東京までは夜行や急行乗り継いでとした不便さを解消してくれただ

ではなく、新潟を一地方都市へと発展させたファクターの殆どがこの『日本

列島改造論』からくる事は間違いのない事実でしょう。

 この書籍は田中角栄本人ではなく、政治家であり作家でもある石原慎太郎氏

が書かれた一人称小説。当然自伝風に書かれてはいるものの没後、後年の資

料と実際の記憶による書き物であるわけです。

 晩年の動けぬ体となった下りなどは、「本当の自伝ならどんな事が書かれ

たのだろう」と想像するだけで悲しく寂しい気持ちになるのは私だけではな

いでしょう。


 マスコミがあれだけ騒いだロッキード事件にしても、後年は養護、疑問視、

某国の陰謀とただの演出冤罪であるとした流れは生きていたらさぞや吠えら

れたのではないかと想像いたします。正直ちょっと読み足りなかった感があ

りますね、全三巻とかでも良かったですよ。


 しかし今更ながら金権賄賂と声を上げたところで、政治に限らずどんな商

売や付き合いでも根底に坐した考え方はあるでしょう。どんな国でも同じ事、

大小有無しにお金が絡むのは避けられぬことです。線香や手拭配ったと揚げる

とること自体がナンセンス。そんなのを角栄さんが聞いたら馬鹿にしそうな小

事かもしれません。


 読み終えた感は「とてもよかった」、もう少し手腕を振っていたら諸外国

との距離も違ったものになっていたのではないかと残念でならない部分は大

きい。今の外交や特亜関連のニュースを聞いていると特にそう思い感じ入り

ますね。

 私は県民という立場から一貫した養護派なので(笑)こんな感想となりまし

たが、一個人の感想ブログの常として読み飛ばしていただければ幸いです。

posted by 番屋竹林 at 07:40| Comment(0) | 書籍 小説(エッセイ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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