人間たちの話
柞刈 湯葉 (著), あらゐけいいち (イラスト)
ハヤカワ文庫JA 2020/3/18
文庫: 288ページ
出版社: 早川書房
寸法: 文庫 10.6 x 1 x 15.7 cm
----------------引用
内容
どんな時代でも、惑星でも、世界線でも、最もSF的な
動物は人間であるのかもしれない…。
火星の新生命を調査する人間の科学者が出会った、もう
ひとつの新しい命との交流を描く表題作。
太陽系外縁部で人間の店主が営業する“消化管があるやつは
全員客”の繁盛記「宇宙ラーメン重油味」。
人間が人間をハッピーに管理する進化型ディストピアの
悲喜劇「たのしい超監視社会」、
ほか全6篇収録。稀才・柞刈湯葉の初SF短篇集。
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寓話のようなソフトにスパイスを利かせたSFか 風刺を
これでもかと盛り込んだシニカルなSFかと聞かれれば
イメージは後者であろう。
残念ながらインスパイヤと云いますかリスペクト元となった
小説は未読ですので純粋にSFショート集の初読みとしての
レビューです。
『冬の時代』
『たのしい超監視社会』
『人間たちの話』
『宇宙ラーメン重油味』
『記念日』
『No Reaction』
の6編を集録、SFマガジン掲載は「冬の時代」「たの
しい 超監視社会」「宇宙ラーメン重油味」。
書き下ろしが「人間たちの話」
小説すばる掲載は「記念日」
「No Reaction」はWEB投稿作との事です。
あらゐけいいち氏の描く表紙からイメージするなら「星新一」
御大風なショートショート味?と勘違いしがちですが、逆に「ガッ
ツリ」系の短編小説。
イラストは作品順の並び「No Reaction」の透明人間は半透明と
なってますね。
一般受けしそうな「宇宙ラーメン重油味」、「No Reaction」、
「宇宙ラーメン重油味」は帯にも描かれている
“消化管があるやつは全員客!”
“太陽系では珍しい系外人対応の飲食店!”
“対応生物数が無駄に多い!”
“銀河標準語が流暢!”
とした飯漫画ならぬ飯SF小説、「旨いのか?」食えるのか?
「旨そうに食べる異星人がなんとも幸せそうな宇宙ラーメン屋。
誰からも見てもらえず作用を与えられない存在、透明人間、
そう古典力学も発生しない「No Reaction」。
かと思えば「なぜ」人は… その存在提議、愚かさ、面白さ、
悲しさ何時までも変らない人を語る、
氷と雪の世界「冬の時代」。
生命とは何か?人とは?を問う「人間たちの話」。
現代をシニカルに捉え風刺を利かせた近未来風「たのしい
超監視社会」。
シュールでありその状況にすら慣れてしまう「記念日」、
そう『ルネ・マグリット』描く『 記念日』… あの部屋いっぱいの
石… 生活出来そうもないのですが。そのままのタイトルです。
ラノベ漬けで疲れた頭に結構来ますね『人間たちの話』、
個人的には「たのしい超監視社会」「人間たちの話」が
一番好きかな、どうです読んでみませんか?。
posted by 番屋竹林 at 16:08| 新潟 ☀|
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